微睡日記抄 その3
2020.06.13
トピックス
青い仮面の下。Under the Blue Mask.
ボクたちの水汲みと薪割りは、終わった。だから、ボクたちの試行錯誤(trial and error)と思考実験(gedanken experiment;thought experiment)も終わった、ということだ。babel(混在)が始まり、幽玄(有限)と夢幻(無限)、logosとerosなど、それぞれの既定対立概念は解体...
虚ろなる涙 その2
2020.06.13
人
禁断の未来。
長田弘(1939.11.10.-2015.5.3.)は自然の景色に溶け込むように生きた詩人であり、透徹した眼差しを持った批評家であった。彼は、ウェルズ(Herbert George Wells 1866.9.21.-1946.8.13.)を文学の発明家といった。言い得て妙である。ウェルズは、素人科学者でありながら、筋金入りの文明批評家であって...
いでんしじょうほうこうがく その3 やうやう しろくなり行く
進歩か?進化か?当惑の未来。ボクたちは何処へ行ってしまったのか?
自己とは、何か?自分自身とは?
DNAのどの部分か、に、それはある、と、考えられてきたが、そんな単純なものではないことが、近年の成果で分かってきた。DNA内部でのそれぞれの相互作用とその様々なコンビネーションの総体化されたものとして...
楽園の破綻 the collapse of paradise その9
5月27日、FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)2020が発表されたが、それは予想された通りの内容で、特段、大きな影響を市場に与えるものではなかった。ただ、企業は全般的に資金繰りに苦慮しており、大半の地区で生産は急激に落ち込み、支払いの遅延、未納が起きている。民間銀行では、PPPローン(Paycheck Protectio...
幸運の輪 Wheel of Fortune ;煉獄への誘い その7
“識(色)”の顛末。
遡(サカノボ)れば、先ず、世界は、輪環、である、と認知される。それは、洋の東西を問わず、車輪で表わされる。その循環を、輪廻(リンネ)、と、呼ぶ。それは、因縁(インネン)の反復変転する、永劫回帰の閉鎖空間であって、そこから解脱(ゲダツ)して、次なるグレードの世界へ転生するには...
虚ろなる涙 その1
2020.06.07
人
鈴木清順、偶(タマ)さかの死。
死は、もはや、屍(シ)であって、死ではなく、それを敢えて、詞とするのは、生の陋習(老醜)というものである。
鈴木清順(1923.5.24.-2017.2.13.)は、日本の文化は侘び・寂びではない、絢爛豪華だ、と言い放つ。鬱陶(ウットウ)しいものを嫌い、開放的で、人間性の自由を謳...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 4
弥勒の瞑目。
わが子が、親を親とも思っていない、と知ったとき、親は、わが子を子と思い続けることに苦悶する。自分の子であって、自分の子でない。その、もって生まれた知能の、子と親との隔絶した落差というものに、驚き、気づき、自失するのだ。余りにも、残酷な冷たい運命。子は、親に全幅の信頼を持っているも...
永訣の記憶。
Rからの手紙 1975年5月。
桐澤さん、どうしていますか?パリは今日も快晴です。私はいつものように、街をほっつき歩いてばかりです。ノートル・ダム寺院の斜め前のサン・ミシェル橋からリュクサン・ブール公園へと続くサン・ミシェル大通り界隈が、私の出没する、お気に入りのお散歩コースなのであります。ご存じの...
You need me, perhaps, or I need you chapter 5
まねき猫。
まねき猫は、諺(コトワザ)とは違う。それは、実存在であり、幸運を呼ぶ人形、といった類いの装飾品であり、その容態は、寧ろ、妖怪に近い感じがする。一体、どんな怪体(ケタイ)が猫に投射され、デフォルメされると、係る変様体になるのか、は判然としないが、これにも、謂(イワ)れ因縁はある、とい...