リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(3);近代ドイツ 13
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(3);近代ドイツ 13 何分にも,ワーグナーは余りにも情念に忠実であって,その行動も独断に過ぎ,チャンスを逸することも屡々(シバシバ)であり,自分の芸術的欲求を優先させる余り,その上演の準備が間に合わないこともあった。しかし,そんな彼ではあったが,幸運にも,...
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(2);近代ドイツ 12
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(2);近代ドイツ 12 ワーグナーは,ハイネに感化されて,1842年,「さまよえるオランダ人」を完成させ,その直後,故郷ザクセン王国ドレスデンに戻り,10月「リエンツィ」の初演で大成功を治め,1843年2月,ザクセン国立歌劇場管弦楽団指揮者に任命された。ワーグナーは,...
微睡日記抄 その9
微睡日記抄 その9 虐情の連鎖と涙。戦争を忌む。 戦争について語ることは,もう十分語り尽くしてしまった。限定的な段階であれば,見過ごされると,政治家たちは考えがちだが,これからの地球は、違う。戦争は廃絶されなければならない。暴力ではなく,国際協約に基づく相互間の対話こそがそれに代わるものとして...
500マイル 第7章
2022.06.18 哲学
500マイル 第7章 吊るされた男 the hanged man  耗弱する電脳 abraded cyber 1949年7月21日,ルードヴィヒ(Ludwig Wittgenstein 1889.4.26.-1951.4.29.)を乗せたクィーンメリーは,一路,ダブリンからニューヨークを目指して出港した。自他共に許す親友ノーマン・マルコム(Norman Malcolm 1911.6.11.-1990...
漂流点描 その4
漂流点描 その4 ヒトの社会は仮面の社会であり,仮想と現実が混在する社会である。ヒトは、“化(カ)”する。つまり,化けるのである。それは,自分以外の何者か,に化け,自ら仮想した人格に変容し,自分自身を隠蔽し,一人の傀儡(クグツ)師となって,仮面を付けた自分に掏(ス)り返て,自ら虚像になり切る。何...
500マイル 第6章 愚者の功罪
500マイル 第6章 愚者の功罪 Fool’s merits and demerits  現在形という未来 the future of the present form 「私たちの越える丘(The Hill We Climb)」アマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman 1998.3.7.) 「私たちが分断を終わらせ,未来を手にできるか,どうか,は,私たち自身が,今,抱(カカ)える相...
漂流点描 その3
漂流点描 drifting pointillism その3 観想theoriaとは,自分自身と世界(自然)との合体一致を可能にするための行かもしれない。それは諸々の欲求を減殺し,思考を停止し,覚醒した自己となり,自律した個として世界の,風景の中に溶け込み,静穏を得るための行であるのかもしれない。しかし,それは禅や瞑想で得...
500マイル 第4章 内在との出会い
500マイル 第4章 内在との出会い encounter to the immanence  遠い旅路の果て,未知なる道が開かれ,向こう側への旅が始まる。 世界は既に溶融し始めている。それは,幻視(原子・原始)から始まり,幻視へと回帰する奇妙なクロニクル(年代記)の1ページ。惑星の1ページである。 「邪悪な者たちが地球を...
500マイル 第3章 無知なるものの縁(ヨスガ) 
500マイル 第3章 無知なる者の縁(ヨスガ) regression line of the ignorant  未知(道)なるものを道(未知)とし,道(倫・理)ならぬものを非理(非道)として,時空を超越する行(ギョウ)にこそ,彼我に辿り着く未知(道)が在る。 「人の心に生まれながらの善悪というものがあるとは思えない。又,...
むかしばなし once upon a time 第3章
むかしばなし once upon a time 第3章 ボクは日がな一日,彼女のことを考えていたりする。その年の正月,京都へ大変重要な会議に出席するため向かっていたのだが,正直言って,ボクは既に,その方面では時代遅れの存在であり,後進に道を譲るべき立場だった。その前日は知恩院の隣の都ウェスティンに泊まり,夜は...
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