むかしばなし once upon a time 第3章
むかしばなし once upon a time 第3章 ボクは日がな一日,彼女のことを考えていたりする。その年の正月,京都へ大変重要な会議に出席するため向かっていたのだが,正直言って,ボクは既に,その方面では時代遅れの存在であり,後進に道を譲るべき立場だった。その前日は知恩院の隣の都ウェスティンに泊まり,夜は...
むかしばなし once upon a time 第2章
むかしばなし once upon a time 第2章 久美子は燥(ハシャ)ぐでもなく,しどけなく,ただじっと黙って座っていた。それは,いつものあっけらかんとしたお惚(トボ)け混じりの表情とは違う,洗練された色香があり,万物の霊長であるホモサピエンスのメスに相応しい淑女というものに変容していた。つまり,化粧と...
漂流点描 その1
漂流点描 drifting pointillism その1 ボクは相変わらず手前勝手である。人が困るようなことをすぐ言い出してしまう。何かに憑け,皆が嫌がるようなことを平気で言ってしまうのだ。例えば,日本人は過去,しかも,現在に近くない歴史のようなものにしか留意しないし,それに疑問を感じ,現代を客観視できない無責任...
復活への階段 その6
復活への階段 the stairs to resurrection その6 2021年最後のFOMCが12月15日に終わり,FRBはテーパリングの加速に踏み切った。これまで月150億ドルだった量的緩和の縮小の上限を一気に2倍の300億ドルに引き上げ,来年6月には終了することを明言した。そして,その後は対インフレシフトに切り替え,来年度の金利引...
復活への階段 the stairs to resurrection その5
復活への階段 the stairs to resurrection その5 現在の世界の水素生産は,産業ガス大手であるフランスのエア・リキード,ドイツのリンデ,アメリカのエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズの3強が大半を占める。エア・リキードの年内生産量は重量換算で約120万トンに相当する140億㎥,日本国内水素供給量全体の半...
退職後の生計と終末期医療 その5
退職後の生計と終末期医療   その5  厚労省が今進めようとしている施設介護から在宅看取りへの流れは,これまでの施設介護の弊害である,入居者に課せられる内規の問題では,例によって,臭い者には蓋(フタ)という御座なりな姿勢で対処してきたことが災いして,入居者やその家族と齟齬(ソゴ)が生じることも多...
退職後の生計と終末期医療 その4
退職後の生計と終末期医療   その4  現在,貯金の大半は,すでに投資のことを意味するようになっており,一般には長期小額分散投資と喧伝(ケンデン)されている。確かに将来の年金制度の行方は不透明であり,何時からが老後になるかは分からないが,生きていれば,当然だが,生活していかねばならない。それに...
復活への階段 the stairs to resurrection その4
復活への階段 the stairs to resurrection その4 気が付いてみると今年ももう2か月となっている。デルタ株の4波,5波も過ぎ,一先ず中国,ヨーロッパの動静はヴァクチンの効果もあり,一応の安定に戻りつつあるように見える。しかし,季節的なものか,どうか,は定かではないが,アメリカは元より,インド,ブラジ...
退職後の生計と終末期医療 その3
退職後の生計と終末期医療   その3 終末期医療とは,いわゆる延命治療の事である。それは加齢による寝たきりの場合だけではない。つい最近まで,その筆頭は癌であった。しかも,今や,様々な難病も報告されており,実際のところ,老人だけの問題ではない。これら,人間の寿命に関する報告は,欧米では二通りの解釈...
退職後の生計と終末期医療 その2
退職後の生計と終末期医療   その2 現在,60歳代で子と同居している世帯は珍しくない。子は40歳か30歳代であり,平均所得は手取り30万円から40万円くらいで,親の所得もサラリーマンで50万円前後であればいい方である。家が戸建てでローンの完済が目前といったところであり,多分,今が最も一家の所得が安定して...
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