リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(1);近代ドイツ 11
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(1);近代ドイツ 11
リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner 1813.5.22.-1883.2.13.) が生を受けたのは,ザクセン王国のライプツィヒである。父親は警察の下級官吏であり,母親はパン屋の娘であって,リヒャルトは第9子であり,父親は誕生から間もなく急逝した。...
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(3);近代ドイツ 13
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(3);近代ドイツ 13
何分にも,ワーグナーは余りにも情念に忠実であって,その行動も独断に過ぎ,チャンスを逸することも屡々(シバシバ)であり,自分の芸術的欲求を優先させる余り,その上演の準備が間に合わないこともあった。しかし,そんな彼ではあったが,幸運にも,...
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(2);近代ドイツ 12
リヒャルト・ワーグナー 民族的芸術の躍動(2);近代ドイツ 12
ワーグナーは,ハイネに感化されて,1842年,「さまよえるオランダ人」を完成させ,その直後,故郷ザクセン王国ドレスデンに戻り,10月「リエンツィ」の初演で大成功を治め,1843年2月,ザクセン国立歌劇場管弦楽団指揮者に任命された。ワーグナーは,...
“神々”の系譜 その4
Pink Floydを聴いたのは,もう,「Atom heart Mother」が,1970年に発売されてから暫く経った秋頃だった。しかし,それはそれほどショッキングな内容でもなかった。確かに20分を越える大作ではあったが,余りにも意図的に,意外性を持ち込んだことが返って,彼らの原点であるサイケデリックを不透明にし,効果的に使われ...
列伝series phase 4 林美雄(1)
フォークルの解散後,勇ましい反戦平和の大合唱を経て,若者たちは敗残の四畳半フォークの季節を迎えていた。投げ捨てられた花束は,時代の真空状態の中,混在する素人全盛の自作自演曲に流され,渦を巻き,牙をもがれ,仲良し同士の誰もが望む小宇宙のテーマ・ソングとなり,マスコミに都合良く弄(モテアソ)ばれ,御...
列伝series phase 5 林美雄(2)
1975年1月,「歌う銀幕スター・夢の競演」という低迷する日本映画界の奮起を促すべく,又,励ますべく,林は野外ライブを開催した。ここには,渡哲也,原田芳雄,松田優作,鈴木清順ら,映画界の重鎮が顔を揃え,林の優れたイヴェント感覚が証明された。パック降板後,熱烈なリスナーたちの運動と要求で,林は10月からパ...
列伝series phase3 糸居五郎(3)
2月19日,「帰ってきたヨッパライ」セールス200万枚突破のパーティーが東京ヒルトンで開催された。その席上,記者の中から,朝鮮総連がフォークルの「イムジン河」について,「作者不詳のトラディショナルではなく,北朝鮮に作曲者・作詞者も実在し,歌詞の内容も原詞に無い部分があり,その商業的発売は許容できない。...
列伝series phase 2 糸居五郎(2)
何か徒(タダ)ならぬ気配をその曲は発散している。糸居にとって,関西の深夜放送,ラジオ関西の番組「電話リクエスト」を席巻しているこの曲の作り手たちは如何なる面々か,何が関西で起こっているのか,これは重大な事態だ,と彼は見た。東京のレコ―ド会社を釘付けにした学生グループを突き止めようと,誰もが注目し,...
列伝series phase 1 糸居五郎(1)
だから、外を見ちゃイカン、て。何気なく、通りすがりの赤坂のラジオ局の道すがら、青年は何か見てはいけないものを見てしまう。占領軍のアメリカ兵の忌まわしい振舞いに見て見ぬ振りするしかない、やりきれなさ、か?それも感じない気力の無さ。それなのに、あの夜のラジオから聞こえてくるあの人たちの歓びに満ちた音...
Sophie × Pistis (智慧×信仰) prologue
Dirgeが結成されたのは、1994年の事である。所はフランス、パリ。彼らの音楽はポスト・メタルと呼ばれるようになる一群の電子音楽集団によって創生されたサウンドの一種であり、21世紀の今日に至るまで、幅広く、受け入れられた音楽である。ポスト・メタルPost Metalについての話題は、ユーラシア大陸の果てに細やかに佇...