漂流点描 その4
漂流点描 その4
ヒトの社会は仮面の社会であり,仮想と現実が混在する社会である。ヒトは、“化(カ)”する。つまり,化けるのである。それは,自分以外の何者か,に化け,自ら仮想した人格に変容し,自分自身を隠蔽し,一人の傀儡(クグツ)師となって,仮面を付けた自分に掏(ス)り返て,自ら虚像になり切る。何...
500マイル 第6章 愚者の功罪
500マイル 第6章 愚者の功罪 Fool’s merits and demerits
現在形という未来 the future of the present form
「私たちの越える丘(The Hill We Climb)」アマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman 1998.3.7.)
「私たちが分断を終わらせ,未来を手にできるか,どうか,は,私たち自身が,今,抱(カカ)える相...
漂流点描 その3
漂流点描 drifting pointillism その3
観想theoriaとは,自分自身と世界(自然)との合体一致を可能にするための行かもしれない。それは諸々の欲求を減殺し,思考を停止し,覚醒した自己となり,自律した個として世界の,風景の中に溶け込み,静穏を得るための行であるのかもしれない。しかし,それは禅や瞑想で得...
500マイル 第4章 内在との出会い
500マイル 第4章 内在との出会い encounter to the immanence
遠い旅路の果て,未知なる道が開かれ,向こう側への旅が始まる。
世界は既に溶融し始めている。それは,幻視(原子・原始)から始まり,幻視へと回帰する奇妙なクロニクル(年代記)の1ページ。惑星の1ページである。
「邪悪な者たちが地球を...
むかしばなし once upon a time 第3章
むかしばなし once upon a time 第3章
ボクは日がな一日,彼女のことを考えていたりする。その年の正月,京都へ大変重要な会議に出席するため向かっていたのだが,正直言って,ボクは既に,その方面では時代遅れの存在であり,後進に道を譲るべき立場だった。その前日は知恩院の隣の都ウェスティンに泊まり,夜は...
復活への階段 その7
復活への階段 the stairs to resurrection その7
2022年3月16日,FRBは0,25%に金利を引き上げる決定を下した。一方,今年中に6回の金利の見直しをすると宣言した。パウエル議長は会見で予想を超えるインフレ圧力に市場が曝(サラ)されていることを認め,緊縮策が経済の常態回帰を妨げない範囲でインフレを許容す...
むかしばなし once upon a time 第2章
むかしばなし once upon a time 第2章
久美子は燥(ハシャ)ぐでもなく,しどけなく,ただじっと黙って座っていた。それは,いつものあっけらかんとしたお惚(トボ)け混じりの表情とは違う,洗練された色香があり,万物の霊長であるホモサピエンスのメスに相応しい淑女というものに変容していた。つまり,化粧と...
漂流点描 その2
漂流点描 drifting pointillism その2
ボクの毎日はリハビリの毎日である。実は,この4,5年体の不調に悩ませられている。そして,今年漸く,大脳皮質基底核変性と言う,パーキンソン病でもALSでもない指定難病であるという診断が下った。要するに脳の神経系統の病気である。今,症状は左肩から左手にかけて筋肉が...
漂流点描 その1
漂流点描 drifting pointillism その1
ボクは相変わらず手前勝手である。人が困るようなことをすぐ言い出してしまう。何かに憑け,皆が嫌がるようなことを平気で言ってしまうのだ。例えば,日本人は過去,しかも,現在に近くない歴史のようなものにしか留意しないし,それに疑問を感じ,現代を客観視できない無責任...
復活への階段 その6
復活への階段 the stairs to resurrection その6
2021年最後のFOMCが12月15日に終わり,FRBはテーパリングの加速に踏み切った。これまで月150億ドルだった量的緩和の縮小の上限を一気に2倍の300億ドルに引き上げ,来年6月には終了することを明言した。そして,その後は対インフレシフトに切り替え,来年度の金利引...