不思議の国の高度理系人材の不足 2
不思議の国の高度理系人材の不足 2
現在の日本のディジタル化の立ち遅れは,企業が設備投資や研究開発費を出し渋り,国も,殖産興業の精神を忘れ,十分な予算を割(サ)かず,恒常的な頭脳流出と理系教育の質的低下を招いたことも無関係ではなく,国民は国民で,急速な電脳化を好まず,世界的に起きてきたイノベ...
不思議の国の高度理系人材の不足 1
不思議の国の高度理系人材の不足 1
現在の日本の社会にはディジタルの波が押し寄せている。つまり,高度理系人材なる労働者の不足が国際的な経済の遅滞を招いたとの反省から可及的速やかにその解消を図る目的で今,又,国は懲りもせず,主に若者を対象にそのスキルアップを,国を挙げて行おうとしている。しかし...
ショートコラムの憂鬱 2022 part 2
ショートコラムの憂鬱 2022 part 2
幻覚の数理学。
牧島象二(1907.5.25.-2000.4.30.)は数理学の権威である。氏は,「青年には若さと夢が,老年には哲学と深い洞察がある。もしこの両者を結びつけ得たらどうなるだろうか。」と疑義を呈した。氏はさらに,パターンダイナミクスなる新理論に傾倒し,その中の重要定理...
知らず語りのレトリック。
知らず語りのレトリック。Rhetoric without knowing。
東大紛争と忘却の静寂(シジマ)。
加藤一郎は東大の総長代行に互選されたが,気が重かった。山本義隆は権力と自由という構図の中で抜き差しならない立場に立たされていた。そうして,1969年1月,その日がやってきた。二人はその時,何を想っていただろう?そ...
幸運の輪 [wheel of fortune];煉獄への誘い その11
幸運の輪[Wheel of fortune];煉獄への誘い その11
秋月の世(夜)の耽(フケ;更け)るまま,邂逅の断片たちは,遠ざかっていく。雛菊(daisy;花言葉;平和・希望)の咲き乱れる秋の野に血腥(ナマグサ)い,殺戮者の剣が突き刺さる。
詩人が覚束(オボツカ)ない足取りのまま,月明かりの夜に外に出ると,遠...
ショートコラムの憂鬱 2022 part 1
メタヴァースMetaverseとは何か?
メタヴァースとは,SF作家ニール・スティーヴンセン(Neil Stephenson 1959.10.31.)の1992年のサイバーパンク作品「スノー・クラッシュ」に登場する超亜空間のことである。その空間ではアヴァターと呼ばれるヴァーチャル世界の分身が登場し,現実では体験できない体験ができ,金儲け...
謎だけを纏った夜
謎だけを纏(マト)った夜。
A night wrapped only in mystery。
世界戦争後の民主日本を支えた思想を「戦後民主主義」と呼ぶ。その原型を平易に一般に伝えたのが,鶴見俊輔ら同人7人によって1946年,第1号が発刊された雑誌「思想の科学」である。その七人とは,鶴見俊輔,鶴見和子,武谷三男,武田清子,都留重...
復活への階段 その10
復活への階段 the stairs to resurrection その10
2022年8月,アメリカの物価上昇率は止まらず8%前後を推移しており,FRBの目算は外れ,インフレと物価高と公式には認めたがらないリセッッションが交錯する局面を迎えつつある。9月21日のFOMC会合では前月に続き0.75%の利上げを行ったが,国内のインフレの拡散を止...
レディー・かぐやの伝説
レディー・かぐやの伝説
月という世界と信仰
月は何か心もとない静寂の世界と考えられがちだが,本当にそうだろうか?地球の重力の影響で月は年に数㎝ずつ落ちてきていることは分かっており,何れは衝突するのだろうか?否,その計算は間違っていないかもしれないが,それ以前に太陽の方に寿命が来るという計算も...
ハイネマン 自由の砦,世界戦争後のドイツ;近代ドイツ 18
グスタフ・ハイネマン(Gustav Heinemann 1899.7.23.-1976.7.7.)が生を受けたのはノルトライン・ウェストファーレン州のシュヴェルムである。父親はエッセンでクルップの委託販売員をして生計を立てていた。父や祖父,曽祖父は,皆,急進的な自由主義者であり,曽祖父は,1848年の三月革命にも参加している。どのキリス...