実存主義の泥濘(ヌカルミ)Muddy existentialism
Muddy existentialism 実存主義の泥濘(ヌカルミ)
prologue 内在の思(視)考
実存は本質に先立つ。と,複眼の哲学者は言った。又,人間の行動は,投企的である。とも。脳の機能は,測・行・証の同時進行の繰り返しであり,最初の報酬系の動機は逐次更新していく。とも。それならば,而して,その本質は何処...
むかしばなし once upon a time 第1章
むかしばなし ones upon a time 第1章
その頃付き合っていた女性に、スージーがいた。彼女は某金融会社の社員で、かなりの切れ者で、将来は優秀なトレーダーになるだろうと、嘱望されており、ボクも、彼女とマーケットの話をするのが、至上の歓び(?)となっていた。しかし、迂闊(ウカツ)には手を出せないオー...
ショートコラムの憂鬱 2021 part 2
ちょっと,気休め,骨休み,の道。Road to a little relax of brain and bone
前節で,あまりにも楽観的というか,非現実的なことを書いたので,「あんたは阿呆か!」というお褒めの言葉を多数いただきましたのでお答えいたします。ボクはホントに阿呆なのです。もう,人生も折り返し地点を過ぎ,何を言っても始まら...
“神々”の系譜 その4
Pink Floydを聴いたのは,もう,「Atom heart Mother」が,1970年に発売されてから暫く経った秋頃だった。しかし,それはそれほどショッキングな内容でもなかった。確かに20分を越える大作ではあったが,余りにも意図的に,意外性を持ち込んだことが返って,彼らの原点であるサイケデリックを不透明にし,効果的に使われ...
列伝series phase 4 林美雄(1)
フォークルの解散後,勇ましい反戦平和の大合唱を経て,若者たちは敗残の四畳半フォークの季節を迎えていた。投げ捨てられた花束は,時代の真空状態の中,混在する素人全盛の自作自演曲に流され,渦を巻き,牙をもがれ,仲良し同士の誰もが望む小宇宙のテーマ・ソングとなり,マスコミに都合良く弄(モテアソ)ばれ,御...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 11 Clockwork and lecherous shameless(時計仕掛けと色仕掛けの破廉恥)。
その時、高橋章子(1952.10.28.)は、美術学校目指して浪人中の18歳の夏、だったと思う、と語っていた。気分はアセリ気味で虚無感に苛(サイナ)まれ、なにやらナサケナイの一言で、一人じゃヨソん家(チ)へ行ったことも無い自分が、妙に自虐的な心持ちになり、そのヨソん家(チ)、つまり、映画館に闖入(チンニュウ)...
微睡日記抄 その8
自分で言うのも変ですが、今の私も変ですね。
It’s strange to say it myself, but I’m also strange now.
円喜怒(マルキド)・砂土・哀楽でございます。この度は、大女優と言われる、某ヨシコ様に尽きまして、少々お耳汚しのお時間を賜りたく、謹んで、御願い奉ります。
さて、ヨシコ様というと、既に老境、...
微睡日記抄 その7
色づく街並み。Colored townscape in Sendai。
店は混んでいた。時間待ち。取材の予定がオシテいる。不安気に、顔を彼女に向けると、「いいじゃない。折角来たんだから。」彼女は、ウェイティングシートに凭(モタ)れかかり、砕けたポーズのまま、めんどくさそうに吐き捨てる。初対面にも拘らず、この気さくな、とい...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 9
幸運と夢の未来。lucky chance and dreaming future。
アルゼンティンは、永く、破綻(デフォルト)国家として有名だったが、今回のパンデミック危機では夏前に、主な債権国との協議が水面下で進展し、この秋には、全ての債務再編の当事者と具体的な合意に達すると言われている。それが、その通り、期待通り、実現す...
ザ・コンフィデンス(自信) Confidence in the culture of the New Age その2
世界自身を知れ。recognize the world itself。
盤上を駆け巡る若き棋士、向かうところ敵無し、無敵の藤井聡太(2002.7.19.)の快進撃が注目されている。2007年、夏、5歳の聡太君は母方の祖母から将棋の手ほどきを受ける。簡単なコマの運びと並べ方だったという。そこから始まった将棋ゲームだったが、秋には祖父も歯...