三島、自滅 病葉(ワクラバ)の回廊
現身(ウツソミ)はあらはさずとも、せめてみ霊(タマ)の耳をすまして、お前の父親の目に伝はる、おん涙の余瀝(ヨレキ)の忍び音(ネ)をきくがよい (三島由紀夫「朱雀家の滅亡」) 往年の老優、中村伸郎(1908.9.14.-1991.7.5.)は、この特異な才能の持ち主の陳腐な最期について比較的冷静に、淡々と述懐して...
You need me, perhaps, or I need you chapter 4
猫も杓子(シャクシ)も。 猫が強(シタタ)かで、容易ならぬ生き物であることは、前章でも証明済みである。この、屈強で柔軟な生き方がどうして、猫の身についたのか、というような、史的なあらましについて、少しく考えてみようと思う。 そこで、ここは、時間をちょっと遡って、古代日本にタイムスリップすると...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 2 
ボクは、現在、「近代ドイツ・シリーズ」という非常に格調の高い、難しい、難解な歴史ものに携わっているのだが、書いていてまとまりがつかなくなるほど、情報量が多いのが難点である。これまで、いろいろな人物を書いてきたが、今回のフォイエルバッハには、ちょっと個人的な興味もあり、ここでも少し触れてみたい。 ...
ルチア、その伝承と構図、あるいは、神の摂理
聖ルチアは、3世紀ごろ、ローマ帝国時代にシシリー島、シラクサに生きた女性である。当時、国禁の宗教であったキリスト教を信仰していたルチアは、異教徒に求婚され、その欲情を誘った自分の眼を疎(ウト)み、自らそれを抉(エグ)り出して皿に乗せ、求婚者に贈った、という。この話自体が、真偽のほどが定かでないの...
全能の神の眼 The Eyes of Providence
1ドル紙幣の裏面にあるピラミッドの目。ただならぬ気配を漂わせた図案である。これは、俗に、プロヴィデンスの目、と呼ばれる意匠で、中世以来、主に、エジプシャン・マジックという一種の呪術の世界で使われてきた図案である。1ドル紙幣に採用されたのは、1935年で、比較的新しいが、その基になっているのは、1776年...
土星の六角形Saturn’s hexagon
土星の六角形(Saturn’s hexagon)が発見されたのは、1981年のボイジャー計画によってであった。土星の六角形とは、土星の北極付近、北緯約78度に位置する持続的な六角形の雲の模様である。2006年からのカッシーニ計画で判明しているデータは以下の通り。 六角形の一辺の長さは約14,500kmで地球の直径12,700kmよりも...
“神々”の系譜 その2
1960年代のmusic sceneは、pop musicとRock and Rollの流行と電気楽器の浸透、そして、jazz liveの退潮とが、同時並行的に進行したことが一つの特徴として挙げられる。殊に、jazz退潮の大きな理由には、underground sceneでのR&B、blues rockの比較的広範囲な進展と、公民権運動の結果、gospelやfolkへ黒人の関心が分散...
“神々”の系譜 prologue
20世紀、電子音楽は隆盛を極め、その勢いは、今世紀に至っても衰えを見せない。その根底には、どんな歴史があり、どんなdramaがあったのか、それを明らかにすることによって、その本質と意義を追求してみよう。 そもそも、電子音楽とは、電気回路の出現と共に姿を現した得体の知れない、奇妙な音の一群である。19世紀...
“神々”の系譜 その1
Jimi Hendrix(1942.11.27.-1970.9.18.変死)は黒人とnativeのquarterという、当時としても珍しい生い立ちで、不遇であった面もあったが、持って生まれた天性のdesign senseによって、rock musicのelectric guitar playerの頂点へと上り詰めた奇才(鬼才)である。そのplayは、全く前人未踏の開拓者魂によって貫かれた空...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 1
 以前、ボクは「残余の沈黙」という他愛もない雑文を書き、つまらぬ屁理屈を並べたのだが、今また、へそ曲がりの心が高じて、ひねくれ、何かしら、企み、又、愚にもつかぬことを書こうとしている。今日の気分は、と言うと、お茶らけていて、どうでもいい、といった感じである。しかし、実をいうと、風邪で、ずっと調子...
<< < 2 3 4 5 6 7 > >>
MENU

TOP
HOME