土星の六角形Saturn’s hexagon


土星の六角形(Saturn’s hexagon)が発見されたのは、1981年のボイジャー計画によってであった。土星の六角形とは、土星の北極付近、北緯約78度に位置する持続的な六角形の雲の模様である。2006年からのカッシーニ計画で判明しているデータは以下の通り。

六角形の一辺の長さは約14,500kmで地球の直径12,700kmよりも大きい。幅は約29,000km、高さは300kmに達する。320km/h(89m/s)で移動する大気が発生させるジェット気流の可能性がある。また、六角形は、土星内部からの電波放射と同じ周期の10時間39分24秒で回転している。又、経度の移動は観測されない。2012年から2016年の間、六角形の色は主に青色からより金色に変化した。

つい最近、話題になったブラックキューブ。この正体が土星であり、古代の神々の伝説に則(ノット)っているのだ、と言う。遥か昔、土星は太陽系の主星・主神であったが、若い有力者、木星にその地位を奪われ、没落した。しかし、いまだにその秘められた力は健在でその象徴がブラックキューブである、と言うのである。そして、そのブラックキューブとは、土星の六角形のことを指している、と言う。ブラックキューブは世界中の神殿や建物に秘かに祀られ、今も信仰の対象になっている、とネットの解説者は説く。例えば、メッカのカアバ神殿、例えば、ニューヨークのロックフェラーセンター、オクラホマの市立美術館、等々。

六角形が発見されたのは、1981年であり、それ以前に、キューブの元となる図形は土星上に確認されていたわけではない。従って、このブラックキューブ信仰なるものは、比較的新しい創作である。それは黒い立方体であって、六角形を立体的に変形したに過ぎない。そもそもが、イスラエルの諜報会社の名前から発した話らしいが、それがなぜ、ブラックキューブ信仰という荒唐無稽の作り話を生んだのかは、謎である。ただ、話の中に、イルミナティやロックフェラーという名前が飛び出してくることと関連があるのかもしれない。つまり、フリー・メイソンや薔薇十字団など、秘密結社好きのもの好きが関わっている可能性もある。
2020年03月08日
Posted by kirisawa
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