微睡日記抄 その3
2020.06.13
トピックス
青い仮面の下。Under the Blue Mask.
ボクたちの水汲みと薪割りは、終わった。だから、ボクたちの試行錯誤(trial and error)と思考実験(gedanken experiment;thought experiment)も終わった、ということだ。babel(混在)が始まり、幽玄(有限)と夢幻(無限)、logosとerosなど、それぞれの既定対立概念は解体...
いでんしじょうほうこうがく その3 やうやう しろくなり行く
進歩か?進化か?当惑の未来。ボクたちは何処へ行ってしまったのか?
自己とは、何か?自分自身とは?
DNAのどの部分か、に、それはある、と、考えられてきたが、そんな単純なものではないことが、近年の成果で分かってきた。DNA内部でのそれぞれの相互作用とその様々なコンビネーションの総体化されたものとして...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 4
弥勒の瞑目。
わが子が、親を親とも思っていない、と知ったとき、親は、わが子を子と思い続けることに苦悶する。自分の子であって、自分の子でない。その、もって生まれた知能の、子と親との隔絶した落差というものに、驚き、気づき、自失するのだ。余りにも、残酷な冷たい運命。子は、親に全幅の信頼を持っているも...
You need me, perhaps, or I need you chapter 5
まねき猫。
まねき猫は、諺(コトワザ)とは違う。それは、実存在であり、幸運を呼ぶ人形、といった類いの装飾品であり、その容態は、寧ろ、妖怪に近い感じがする。一体、どんな怪体(ケタイ)が猫に投射され、デフォルメされると、係る変様体になるのか、は判然としないが、これにも、謂(イワ)れ因縁はある、とい...
微睡日記抄 その1
2020.05.19
トピックス
日暮れのスキャット。民主主義のモヤモヤ。
それは、あの「夜明けのスキャット」がラジオから流れていたころに遡る。未だ、世情は学生反乱の余燼(ヨジン)が収まらぬ騒然とした空気の中にあり、既に大勢は決まっていたにもかかわらず、世論は左派に同情的で、70年決戦を暗に示唆、支持していたが、はっきり言って、...
微睡日記抄 その2
2020.05.19
トピックス
8月の雨。The rain in August.
これは、ボクの話ではない。彼女は彼と、その道をストラトフォードに向かっていた。雨は、頻(シキ)りに、車を打ち、時に激しく、時に穏やかに降っていた。オックスフォードを越えて刈り入れの済んだ麦畑の田舎道を進むと、落ち着いた石造りのバーフォードの街並みが姿を現して、二人...
イエスの困惑 perplex(puzzle on Jesus)
日本では、キリスト教の聖遺物というのは、余り知られていない。イエス生誕の時、祝福のため、オリエントから来訪した3博士の遺体が、ドイツのケルンにある大聖堂に安置されていることなど、日本人が知ろうはずもない。況(マ)して、ナザレにあった聖母マリアの生家が、イタリアのレカナーティという片田舎に現存し、天...
ショートコラムの憂鬱 2020 part 3
愛という名のもとに。
最近、禅について、見聞きしたり、書くこともあり、ちょっと疑問に思ったのだが、禅は、何故か、愛、という語を使わない。ただ、繋がり、という言葉を使い、connectと、英訳する。これが多分、愛、に準ずる言葉だろうと、思う。しかし、愛、とは、形式ではない。そのような分類的表現がふさわし...
手塚治虫 本末天道虫 その2 我と共に来たり、我と共に滅ぶべし
1947年、春、放課後の教室の窓際で、男は、心ここに在らず、といった有り様で、桜の花の散る様をニンマリと眺めている。本当は、笑いが止まらないのである。1月に発売になったデビュー長編「新宝島」が好評で、重版増刷が決まったのだ(これは、最終的に、40万部の大ヒットとなる)。学生にして職業漫画家。夢は妄想とな...
手塚治虫 本末天道虫 その1 我と共に来たり、我と共に滅ぶべし
1946年、春、桜の花の舞散る、阪大予科に隣接するYMCAホールの小部屋から、モーツァルトのトルコ行進曲のピアノの音が軽やかに流れていた。そこでピアノを弾いているのは、日本人の小柄なメガネをかけた男子学生であり、すぐ横には大柄の黒人のソルジャーが腰かけて、楽しげに聴いているのだった。ピアノの演奏が終わる...