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現在の世界の水素生産は,産業ガス大手であるフランスのエア・リキード,ドイツのリンデ,アメリカのエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズの3強が大半を占める。エア・リキードの年内生産量は重量換算で約120万トンに相当する140億㎥,日本国内水素供給量全体の半分以上を1社で賄える規模である。国内最大手の岩谷産業の年間販売量は約1億㎥で海外大手には事業規模で大きく水をあけられている。エア・プロダクツはサウディアラビアで現地企業と組み,5.000億円以上を投じて大型の水素製造設備を建設する計画を進める。
今日,水素を精製する手段としては,天然ガスに含まれる炭化水素を水素と二酸化炭素に分離する方法が一般的であるが,その手法で出来る日本国内の水素価格はおよそ1㎏あたり1,000から1,500円だが,先進欧米では,200から400円であり,比較にならない。これは,日本がその原料として輸入天然ガスを使用しているのに対し,欧米各国は自給可能なガス田を国内に持ち,2020年の天然ガスの平均価格は日本国内が100万BTU当たり8,53ドルなのに対し欧州では3,24ドルと半分以下という現実がある。
欧州各国では,再生可能エネルギーを使って水を水素分解して「グリーン水素」を1㎏当たり,300から700円のコストで精製することも可能になっており,「きれいなエネルギー循環」への試行によって,大幅なコスト圧縮が進められている。再生可能エネルギーのEU域内での発電量は,2020年には,全体に占める化石燃料由来のエネルギーが37%なのに対し,再生可能エネルギーの割合は38%と,既に化石燃料を上回っているのだ。つまり,欧州では低価格の水素精製で,水素エネルギーの普及が進み,それをまた水素プラントの投資に回し,価格を押し下げるという好循環が始まっているのだ。ただ,再生可能エネルギーにも弱点はある。気象に由来する太陽光や風力といった自然現象に左右され常に一定の定常的な電力供給に不安があることは知っておかなくてはならない。これは今後のバッテリーの開発の進化により解消される課題かもしれないが,現在ではまだ留意事項として認識しておかなくてはならない。これを補うものとして原子力発電を一定量使用するとの動きもあるが,それは最後の手段であり,核廃棄物の処理施設の建設が大前提であることに変わりはない。
日本では,2030年の水素導入量を300万トンとしているが,欧州は,同時点で最大1,000万トンを生産するとしており,その差は歴然であるが,これから,どういう展開になっていくか,はまだ予断を許さない。ただ,ESGに関する限り,その方向性に著しい変化はないものと考えていて間違いないだろう。未来の循環型時代は,もう幕が上がってしまったのだ。