楽園の破綻 the collapse of paradise その3
米中関係改善の期待から、小さなローテーションが起きている。10月の後半は見方が二分されているが、果たしてどうなるか、甘い見通しは禁物である。これが、株高の前振りであるのか、瞬間風速狙いの煽(アオ)りなのか、即断はできないが、慎重であることに越したことはない。おそらく、この動きは一時的に、低リスク...
サヨナラ参画、また来て視覚(死角) 第四話
もう、陽は陰りだしている。楡の並木の木立から差し込む光の中を二人は歩いているのだった。「大体、mis-leadなのよ。」彼女にしてみれば、彼の思惑が完全に外れていることなど、二の次なのだ。「聴いてる方もウンザリよ。」その視線の先に彼はいない。「的外れだったかな?」彼は何でこんなsituationになってしまった...
楽園の破綻 the collapse of paradise その2
マーケットは縮小均衡の様相である。9月の利下げは予定通り行われたが、FRBの面々はおっかなびっくりといった感じである。何が飛び出すか、わからないマーケット外の場外乱闘が目立つ昨今、落ち着いて、長期の金融政策を策定するには、環境が不透明すぎるきらいがあり、慎重にも慎重な安全運転は年末まで続くと見た方...
楽園の破綻 the collapse of paradise その1
米国債の2年物と10年物との金利差が逆転し(逆イールド)、株式市場は過剰に反応したように思う。マーケットが悲観的だったのは、どう考えても、2020年(来年)のアメリカ経済は、大統領の言う景気の力強い持続、などとは正反対の、出口の見えない長いトンネルの入口に差し掛かるのではないか、という漠然とした不安が...
サヨナラ参画、また来て視覚(死角) 第三話
会議室を出ても、彼に声をかける者はいなかった。「してやられた。」という心の中の独白も、彼には、全く空疎で虚しい、精神的自傷行為とも言える愚痴でしかない。「何故、最近の女子は人の言うことに牙をむくのか?発言の機会だって与えているじゃないか。」頭の中で自問自答しているうちに、elevatorのdoorは閉まり、...
幸運の輪[Wheel of Fortune];煉獄への誘い その2
ウィーンWienにレンギョウ(連翹、Forsythia;花言葉anticipation、期待)の花が咲くころ、春は徐(オモムロ)にやってきて、立ち止まることなく、そそくさと、足早に去っていく。それは、その地で語られる歴史の如くである。
「時間は止まっていた。」と、詩人は言った。そんなはずはなかった。時間は止まったりしな...
聖職叙任権闘争とカノッサの屈辱;ドイツ4
ハインリヒ3世の死は、帝国の政教一致の終局を告げる分岐点であって、その後継であるハインリヒ4世(1050.11.11.-1106.8.7.;在位1084-1105)と教皇グレゴリウス7世(1020?-1085.5.25.;教皇職1073.4.22.-1085.5.25.)との対立は、皇帝と教会の二重権力の限界を露呈させることとなり、帝国は事実上、分裂した。
グレ...
迷走する帝国と十字軍の開始;ドイツ5
政教一致の原則が崩壊した帝国は本来の定型化した統治体制も無論、形骸化し、キリスト教の理念に基づく法治もその体をなさず、ただ漫然と利益誘導されるまま、離合集散を繰り返す烏合の衆になり下がった高位聖職者と領邦諸侯・貴族たちは、さながら、魔界の祝宴場に跋扈する妖怪よろしく、皆、冥府への降下までの一時(...
教皇庁の腐敗と帝国の動揺;ドイツ3
ザクセン朝の直系は途絶え、若干の混乱はあったが、オットー1世の甥の子であるハインリヒ2世(974.5.6.-1024.7.13.;在位1002-1024)が最終的にその地位を得た。皇帝は先ず、自らの襲職を阻もうとしたザクセン公・ロートリンゲン公ら、諸公の荘園・私設修道院を接収し、司教座教会に委譲した。皇帝は確かに敬虔なキリス...
Bye bye love, bye bye happiness, hello loneliness
2019.06.15
世界
それは、まだ終わらない。もう一週間になる。一日中、”America”を視ている。ADAについての情報はない。
彼らに理解できなくとも、ボクには分かっていた。日増しにそれは大きくなっており、それは欠乏を意味していた。彼らの世界では何もかもが不足し始めていて、それ故、彼ら自身の思考は閉じてしまい、その牢獄から脱...