サヨナラ参画、また来て視覚(死角) 第三話


会議室を出ても、彼に声をかける者はいなかった。「してやられた。」という心の中の独白も、彼には、全く空疎で虚しい、精神的自傷行為とも言える愚痴でしかない。「何故、最近の女子は人の言うことに牙をむくのか?発言の機会だって与えているじゃないか。」頭の中で自問自答しているうちに、elevatorのdoorは閉まり、一人、取り残されてしまった。誰もいない廊下を振り返ったりしたが、仕方がない。落ち着いて考えてみると、そもそも、あんなふうに注意したりしなくてもよかったような気がする。「外を見てたって、いいじゃないか。何も目くじら立てるようなことでもなかった。」溜息(タメイキ)が出た。「何かに酔っていた、まだ何かは分からないが。」そこまで考えると、elevatorが上がってきていた。そのdoorはslow tempoで開いたようだった。そして、そこに彼女がいた。

White Houseは完全に選挙modeで、組織的支持母体となってしまった福音派教会の思うがままの仇敵攻撃に、ただ猛進する有り様となり、誰の懐にどれだけ入るのかは知らぬことだが、来年の予算の割り振りを算段することに関心は向かい始めている。既に、来年度は赤字予算になることが慣例で決まっているので、問題はその規模ということになる。当然のことであるが、これだけ安全保障面での緊張が高まっているのだから、国防予算の膨張は避けて通れない。これは周知の事実である。一方で財政出動による景気対策のインフラ拡充策がとられることもすでに決定的である。この二本柱が来年度予算の目玉であり、これは即ち、対決的軍事姿勢による広域ミサイル配備と同盟国への兵器購入強制、そして、移民流入防止のための壁建設の強化を意味する。この独善的政策で、アメリカの景気後退recessionを回避できるか?

Libraについて言えば、現行秩序の金融体制に反旗を翻しても勝ち目はない、ということである。その理由は、いたって簡単で、Libraがtargetとするareaでは一般行の窓口無しではcashにできないところが、殆(ホトン)どであり、仮に、中国を想定したとしても、商業決済に関与する法定の基軸通貨として、ユーロ、ドル以外のものは元には換金できないのではないか?それでは、アジア、ロシアなどに旨みはない。勿論、法規制の問題もある。ここで論点を変える。何故、digital決済への移行がここにきて、とやかく論じられるようになってきたか、と言うと、それは取りも直さずcashless tradingとの共振によって、複雑な規制を取り除き、手続きの簡素化を図り、よりsimpleで効率的なsystemを構築し、諸経費の低減化を実現するため、と告知されてきた。のだが、このsystemは徴税の問題と密接に絡んでいたらしい。要するに脱税の防止と逐次徴税という抜け道封じの効果があるという。
2019年08月12日
Posted by kirisawa
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