サヨナラ参画、また来て視覚(死角) 第一話
「だから、彼女が林立するビル群を眺めていただけということは認めよう。だから、上の空だった、などと決めつけるようなことは言っていない。このfloorだって、雑踏の遥か上層だ。気が散ることもあるだろう。だからと言って、人の話を聞いていないことの言い訳にはなるまい。」と、彼は言いたいことだけを言って、椅子に...
幸運の輪[Wheel of Fortune];煉獄への誘い  その1
 冬は、過ぎつつある。眠りは、まだ深く、夢は、見果てぬ夢として、永劫の時間の内を漂う。 世界は、まだ、未知なるものであった。光も生まれていなかった。しかし、entropyは上昇していた。“熱”が誕生しつつあり、“誕生”が迫っていることだけは予感された。何が現出するのか、は、考えようもない。ただ、それは迫っ...
帝国の統合と政教合体;ドイツ2
すでに皇帝戴冠以前、951年ミラノを支配下に置きヴェネツィアへの道を手中に収めていたオットー1世はローマでの権力掌握とイタリア経営にとりわけ熱心で、それを帝国統治の基盤に据えたが、イタリア南部に権益を有し、帝国の正当性に疑義を呈して戦争状態となっていたビザンティン帝国との和解が喫緊の課題であった。帝...
神聖ローマ帝国の成立;ドイツ1
814年カール大帝はアーヘンで死去した。 今も初代神聖ローマ帝国皇帝とみなされているこのフランク王国の支配者はその治績ゆえにとも呼ばれる存在であったが、死後、王国は動揺し、地方権力が分立してその領地は解体寸前となっていく。 カール大帝の第3子ルードヴィヒ1世(独人王)の時代、王国はまだ保全されていた。ル...
シンギュラリティーは近い?
 AIの進化について様々な議論がなされているが、2年程前からシンギュラリティーsingularity(技術的特異点)という言葉が盛んに取り沙汰されている。この言葉はアメリカの数学者でSF作家のヴァーナー・ヴィンジ(1944.2.10.-)と発明家・コンピュータ工学者のレイ・カーツワイル(1948..2.12.-)が各々提示したもので、彼等に...
国民国家の終焉と国際国家への移行
ルネサンスを経て、近代市民社会の成立をみるまでの間に、ナショナリズムのうねりがおこった。最も顕著だったのはイギリス、フランス、そしてアメリカだった。イギリスは議会制民主主義のヒナ型ができていたし、独立したアメリカも立憲主義に基づいた主権在民をうたった憲法を制定した。フランスは革命を経てナポレオン...
光と水の科学
21CはTechnologyが劇的に変化するだろう。AIの進化により、都市計画は自然(緑)との調和が画られ、身近に水のstreamも整備されるだろう。従って、建築学は生態系の保護も視野に入れた環境建築学へと発展する。 “水”はそもそも希少な資源である。地球内の”水”はその量に限界があることを知らねばならない。小麦も米もト...
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