サヨナラ参画、また来て視覚(死角) 第一話


「だから、彼女が林立するビル群を眺めていただけということは認めよう。だから、上の空だった、などと決めつけるようなことは言っていない。このfloorだって、雑踏の遥か上層だ。気が散ることもあるだろう。だからと言って、人の話を聞いていないことの言い訳にはなるまい。」と、彼は言いたいことだけを言って、椅子に掛けた。彼女は明らかにあらぬ方を見ながら、何か言いそびれた風に一息入れ、徐(オモムロ)に挑発した。「彼の話を聞いていなかったなんて、失礼です。どうして聞いていないなんて判るんですか?何か証拠でも?第一、彼の話に中身があるとは、到底思えませんね。」

Grave diggerとは、真さしくその通り、墓掘り人夫のことであるが、最近はminingに携わるengineerのことらしい。近頃、仮想通貨の勢いはすごい。Bitcoinはもう8000dallersまで上昇している。決済通貨としての利用度もAmericaを中心に新興国各国に広がってきているし、既存の実体通貨の流通がmarketの停滞と乱高下の繰り返しで不安定化していることも手伝って、国際通貨としての信用度も上がってきている。これは想定よりかなり早い時期に国際的基軸通貨として認証されることもあるかもしれない。但し、今最も悩ましいのは、仮想通貨であるため、実物coinが絶対的に流通に間に合いそうない、という問題である。現在、通貨は既存通貨への換金がほとんど全てであるが、将来は実体通貨へ換金されることになるのは確実で、拡大する一方の購入者のneedsに応え得る規模の実物coinを如何に造幣し、確保できるか、に、全てが掛かっていると言っても過言でない。

フィンテックfin-techの行く末をめぐる論争は、法人税の拡大徴税問題・IT無人化による所得税の減収問題・basic-income財源問題とが、複雑に絡み合う展開となる気配が濃厚となっており、これまで議論されてきた、資産運用・資産管理・債務償却の3経路に収斂(レン)させて逐次徴税を実現する、との短絡指向の想定は完全に行き詰まった、と言って良い。この資産拡大というお題目から始まった話は、低金利の中、資産をいかに倍増させるか、といった方法論からして実現性もなく、展望もない、やってみなけりゃ分からない、というだけの、全く確信の無い、日本人が時々はまる落とし穴の自滅論に過ぎず、もし、やれば、資産課税に道を開くだけの施策になりかねない。第一、株・債券などの投資家の保護についても何の法的措置もなく、おまけに日銀のETF投資と企業の自社株買いによって相場を買い支えたりするような不透明なmarketに参加する個人投資家の身にもなってみたらいい。しかも、相場の大勢を決めるのは欧米の外国人投資家である、という現実が広く知られていないのも問題である。
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