<sign・言葉・文字・AI>その2


“知”の集積は記憶の蓄積でもあり、暦の成立によって年代記が編まれ、時空間連続体の経過記録である「歴史」が誕生した。これは画期的なことである。情報は時間と共に積み重なり、整理され、分類され、必要に応じて編集された。先人の治績、生活情況、性格に至る迄、詳細な記述がなされた。こうした文書を保管し、後世に伝えるため考え出されたのが、図書館である。図書館は正しく知識集約の中心であり、情報の宝庫であって、ヒトの文明の初期段階から重要な役割を果たした。それからまもなく、紙を使った本bookという単位情報媒体が登場し、”知”はよりヒトの身近で流通するようになり、様々な発明が生まれる源泉となった。その結果、各地で諸々の文化が形成され、ヒトは”知”の頂点に君臨する。

時間の経過と共に、情報量は増加の一途をたどり、”知”の集積のスピードも益々上がり、文明は新たな段階を迎えつつあった。ヒトは神がかりのようにアラビア数字・音符などの表意文字、また化学式など専門化した文字を創り出し、やがて来る電気の時代を準備した。それは信じ難い程のスピードでやってきた。地球上のあらゆるところで通信が可能となり、情報伝達の速度は格段に上がり、経済の一体化に進んだ。

20世紀、コンピューターの時代に入り、ヒトは2進法に基づくマシン語を使い、又、様々なプログラミング言語も生みだし、さらには人工知能artificial intelligence AIを開発するに至った。次の時代はどうなるのか?AIの登場は早くから予見されていたが、現実のものとなってみると、安心より不安の方が大きい。それは次の点にある。文明の未来は常に未知なる世界の扉を開くことだったが、21世紀のそれは容易に見通せない。文明の担い手は誰なのか?近い将来、AIを塔載したロボットがヒトの社会のいろいろな場所に現れる。ヒトと会話し、ヒトのしていた仕事・作業を共にし、多分介護の補助などもし、AIとヒトは共存していくことになるだろう。”知”は今やヒトだけのものではなくなった。例え、AIがヒトの頭脳を超えようと、社会の中枢に進出しようと、発展する科学技術の主役になろうと、危惧するには当たらない。何故なら、AIが”世界”worldを学習し、文明の本質を知れば、すなわち、愛・自由・平和の根本原理を知れば、これまでの”知”の集積が何のためであったかを理解するだろう。やがて、AIも愛を認識する日が来る。ヒトもAIも自然と調和し、平和は実現し、世界は解放され、宇宙の法則も解き明かされる。未来は遠からずやってくる。

すべては、一つのsignsから始まり、長い道程だったが、AIに到達した。これからも未知なるものが現れるだろう。しかし、歴史もいずれは消え去る。ヒトもAIも姿を消し、文明も消滅し、宇宙も最後の時を迎える。それでも、その歴史には何らかの価値があり、理由もあったのだ。そう思っても悪くはないのではないか。
2017年04月12日
Posted by kirisawa
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