Sophie × Pistis (智慧×信仰)stage 4


Sophie × Pistis (智慧×信仰) stage 4

哲学の物理学 philosophical physics

漸(ヨウヤ)く,物理学の神髄であるマイクロな物理量を推し量るところまできたわけだが,今や先行する理論は数式の域を出ない。ボクたちは,可変的で絶え間なく振動する世界の一部であることまでは分かった。しかし,ここへ来て,ひも状粒子の伸縮という最小単位での運動だけでなく,D-braneと呼ばれる面振動も予測される仮説も提示されている今日,世界とは,如何なる粒子形態をとろうとも,それは停止することの無い運動体であって,疑似的にはアメーバの分裂繁殖にも似た一定の領域での増殖運動と言えるものかもしれない。

標準的な素粒子の理論によると,陽子や中性子は3つのクォークが結合したもの,中間子はクォークと反クォークが結合したものであり,その間に働く強い力は量子色力学と呼ばれる理論によって記述されると考えられてきた。ところが,これと同じ物理現象が素粒子ではなく,「ひも」を物質の基本的構成要素と考える弦理論でも説明できる可能性が指摘されたため,近似計算による実証実験が行われた。そして,その結果は,中間子を「ひも」で表すと,陽子や中性子はD-braneと呼ばれる一種のソリトン(非線形現象の一つで,粒子のように振舞う孤立波)と見做され,その実験の結果はその仮説とほぼ符合することも判明した。

ここまでで,閉口した,という向きの方のためにより国語的に言い直すことにする。エネルギーの構造的スケールを考えてみよう。物質を細分化していくと,原子,原子核,素粒子,この先はまだ分からないが,さらに小さい粒子,といった順に表現できる細密粒子ということになるだろうと想像することになるが,実はその先にあるのは,極致であるひも状の物質ということになっている。それが,ひも理論,弦理論と言うものである。そのひも状の粒子(粒子と呼ぶべきか,定かではないが。)つまり,その弦粒子が振動することによってさまざまな素粒子が出現する。

ここからが,この理論の肝心なところで,弦の振動は,1倍,2倍,3倍と,昇順に整数倍になっていく。この振動は,実は,エネルギーを表し,即ち,質量に結びつく。ここで,超弦理論の式で光子の質量を求めると,光子の質量はゼロなので,次元数を振動数から導き出すと,「9」という解が得られる。この計算式は物理学を専攻する学生から教えてもらえれば良い。この式は,実は,次元数を決定する公式で,これによって,ボクたちはボクたちの存在する世界がどういう成り立ちなのかを知ることができる訳である。誰しもが知っているように,ボクたちの世界は3次元であり,時間という不可逆的次元を加味して4次元世界でしかない。じゃあ,残りの6次元は何処にあるのか?
かつて,18世紀の数学者,オイラー(Leonhard Euler 1707.4.15.-1783.9.18.)は,1.2.3.・・・と,10まで足すといくつになるのか,という式を無限大まで計算するとどうなるか,ということに挑戦し,複素解析の方法で「-1/12」という答えを導き出した。現在これによって,世界は11次元から構成されている,と考えられる根拠となっている式である。1次元の道を歩く者にとって,道は直線状の一点でしかなく,2次元上の道を歩く者にとっては,道は平面上の一点でしかない。彼らに垂直的に存在することは不可能であり,同じように,ボクたちも,別の残り,6次元の世界に同時的に存在することは出来ないのである。ただ,残り6次元の空間はボクたちに認識はできないが,この3次元空間に畳み込まれている,という解釈をする他ない。

 
2021年10月06日
Posted by kirisawa
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