チャーリーとは?
20世紀の前半に活躍した二人のチャーリー。一人は名優と呼ばれ、反ヒトラーの側に立ち、一人は英雄と呼ばれ、ヒトラーの側に立つ。(それは、世代的な落差なのだろうか?)名優はthe little trampというキャラクターを演じて笑いをとり、大スターの地位をほしいままにし、英雄はthe spirit of St. Louisという単葉機で大西洋の単独飛行に成功し、観衆の熱狂の渦の中に吞み込まれる。
名優はミュージックホールの役者を両親に持ち、離婚した母親と異父兄の下、貧しさの中で育った。英雄は、弁護士で下院議員の父親と化学を教える教師の母親の間に生まれ、何の不自由もなく、育った。(だから、人間の成り立ちが違う?)名優は5歳で舞台に立ち、母親は失職し、精神障害となる。そして、名優本人も職を転々とする毎日を余儀なくされ、どん底の生活に喘(アエ)ぐ。英雄は、当時の最先端の航空機に魅せられ、それまで目指していた機械工学の道を捨て、パイロットへの道を突き進む。
二人とは、名優チャールズ・チャップリン(Charles S. Chaplin 1889.4.16.-1977.12.25.)と空の英雄チャールズ・リンドバーグ(Charles A. Lindbergh 1902.2.4.-1974.8.26.)のことだ。二人は、ほぼ同時代を生きた。しかし、その境遇だけでなく、二人の人生は交差することなく、全く別の時代を生きたかのように対照的であり、互いにその存在を知ってはいただろうが、およそ会うことはなかったと思われる。そんなことは良くあることだ、と言われるかもしれない。この時代、時代に翻弄(ホンロウ)されず、安穏(アンノン)と暮らしたという人は、おそらく、いない。だから、彼ら、二人に焦点を当てて何をしようというのか?と訝(イブカ)る声があるかもしれない。しかし、こう考えてはどうだろう。彼らは時代の申し子、成功者ではあるが、彼らもまた、時代と向き合い、抗(アラガ)い、また、流され、混沌の中で苦悩した人間たちの一人であり、その人生には、それなりの別の意味があったに違いないと。
多分、名優には分かっているのだ。鼻持ちならない奴には気をつけろ。英雄も思う。勇気ある決断と行動に自分は従うのだ、と。二人の晩年は自由で穏やかなものだった。名優はスイスで家族とともに静かな余生を送った。英雄はフィリピンで自然保護と絶滅危惧種の保護に専念する毎日だった。二人には、個人的には満足いく引退生活ではあっただろうが、思い残した過去も又、少なからずあったはずだ。それが何だったか、どういったものだったか、探ってみたい。
20世紀の前半に活躍した二人のチャーリー。一人は名優と呼ばれ、反ヒトラーの側に立ち、一人は英雄と呼ばれ、ヒトラーの側に立つ。(それは、世代的な落差なのだろうか?)名優はthe little trampというキャラクターを演じて笑いをとり、大スターの地位をほしいままにし、英雄はthe spirit of St. Louisという単葉機で大西洋の単独飛行に成功し、観衆の熱狂の渦の中に吞み込まれる。
名優はミュージックホールの役者を両親に持ち、離婚した母親と異父兄の下、貧しさの中で育った。英雄は、弁護士で下院議員の父親と化学を教える教師の母親の間に生まれ、何の不自由もなく、育った。(だから、人間の成り立ちが違う?)名優は5歳で舞台に立ち、母親は失職し、精神障害となる。そして、名優本人も職を転々とする毎日を余儀なくされ、どん底の生活に喘(アエ)ぐ。英雄は、当時の最先端の航空機に魅せられ、それまで目指していた機械工学の道を捨て、パイロットへの道を突き進む。
二人とは、名優チャールズ・チャップリン(Charles S. Chaplin 1889.4.16.-1977.12.25.)と空の英雄チャールズ・リンドバーグ(Charles A. Lindbergh 1902.2.4.-1974.8.26.)のことだ。二人は、ほぼ同時代を生きた。しかし、その境遇だけでなく、二人の人生は交差することなく、全く別の時代を生きたかのように対照的であり、互いにその存在を知ってはいただろうが、およそ会うことはなかったと思われる。そんなことは良くあることだ、と言われるかもしれない。この時代、時代に翻弄(ホンロウ)されず、安穏(アンノン)と暮らしたという人は、おそらく、いない。だから、彼ら、二人に焦点を当てて何をしようというのか?と訝(イブカ)る声があるかもしれない。しかし、こう考えてはどうだろう。彼らは時代の申し子、成功者ではあるが、彼らもまた、時代と向き合い、抗(アラガ)い、また、流され、混沌の中で苦悩した人間たちの一人であり、その人生には、それなりの別の意味があったに違いないと。
多分、名優には分かっているのだ。鼻持ちならない奴には気をつけろ。英雄も思う。勇気ある決断と行動に自分は従うのだ、と。二人の晩年は自由で穏やかなものだった。名優はスイスで家族とともに静かな余生を送った。英雄はフィリピンで自然保護と絶滅危惧種の保護に専念する毎日だった。二人には、個人的には満足いく引退生活ではあっただろうが、思い残した過去も又、少なからずあったはずだ。それが何だったか、どういったものだったか、探ってみたい。