復活への階段 その9


復活への階段 the stairs to resurrection その9
2022年8月,FRBは二度目の0.75%の利上げを実施した。この効果か,アメリカのインフレ率は低下し,賃金の上昇も手伝って,マーケットの反応も良く,S&P500は半値戻しの買いが入った。このタイミングで9月のFOMCが0,5%に利上げで済めば,アメリカ経済の回復基調は確かであるが,景気は事実上のリセッション状態であり,まだ安心出来るところまでは来ていない。ドルはまだ強すぎ,新興国の通貨安は続き,資源と食料の価格は高止まりし,不均衡な貿易収支から抜け出せないのが現状である。戦争の長期化は避けられそうになく,世界経済は,膠着状態が続くと考えられ,予断を許さない状況である。

 日本経済は,実際には金利を上げる余地もない状態にとどまっていると考えられる。今,金利を上げることは,据え置きオペで国債を買い支えるしかない日銀の手足を縛る結果となり,欧米より一足遅く,社債を発行して自社株買いで株高を支える企業を容認するしかない。日銀の形振(ナリフ)り構わぬインフレ指向とマーケットとの整合性は,GPIFの年金資産の流用の結果を検証しなければ論評できないが,しかしながら,黒田総裁の積み残した課題の大きさは計り知れないものがある。彼の言うように,インフレは2%代で治まるだろうか?GDPの所得割はどうなるのか?

 8月,新生銀行とSBIマネープラザは池袋で共同で金融商品の販売を始めると発表した。又,政府はディジタルトランスインフォメーション(DX)に対応するため,デジタル庁を発足させ,担当相に河野太郎を任命し,経済の電脳化を推進する姿勢を鮮明にした。これで世界から周回遅れとなっている公共サービスの料金のキャッシュレス化はマイナンバー制度の活用でだいぶ進むのではないか,と思われるが,国民がどの程度その制度に馴染むか,が問題である。世界経済は25日のジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言に注目が集まっているが,そのタカ派的姿勢は堅持されると思われる。
2022年08月24日
Posted by kirisawa
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